<< Tears In Heaven  Eric Clapton | main | 恥知らずの安倍首相の足元をみる、トランプとプーチン >>

スポンサーサイト

  • 2016.12.25 Sunday
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

一定期間更新がないため広告を表示しています


トランプ政権と今後の日本

 ドナルド・トランプが次期大統領に決まって1週間経過した。1年をかけたマラソン選挙戦の最後は、泡沫候補がベテラン政治家を鼻の差で差し切った。マスコミは一様に「予想外」と驚きを見せる。イギリスのEU離脱国民投票のときも、そうだった。結果を見通せなかった「専門家」は、「理性より感情で選んだ」、「ポピュリズム」、「hidden votersの存在(隠れトランプ)」などと言い訳をしている。

 ヒラリー・クリントンの得票数は61百万票に対して、トランプの得票数は6千40万票と60万票も少ないが、獲得した選挙人は290と過半の27020上回った。大統領選と同時に行われた上院でも共和党51議席に対して民主党48、下院でも共和党239議席に対して民主党193とアメリカの政治シーンは共和党色で塗りつぶされた。合衆国国民の半数は8年に及ぶオバマ民主党政権の継続を明確に拒否したのだ。これだけ大きな潮流を「専門家」たちは読み切れなかった。

木村太郎は半年以上前からトランプ勝利を予想した数少ないジャーナリストの一人だった。当時、ヒラリー・クリントンの不人気が民主党対立候補のバーニー・サンダースに対する支持へつながり、他方でフロリダなどカギを握る州における共和党員数の増加を招いていた。サンダースがクリントンを批判すればするほど、民主党支持者の熱意は失われ、アンチテーゼとしてトランプ+共和党の支持層は拡大していった。

 ところが、マスメディアは最後までヒラリー・クリントン勝利を予想し続けた。113日の ロイター/イプソスの世論調査では、ミシガン、オハイオ、ペンシルバニアなどを含むRust Belt=ラストベルト(さびついた工業地帯)と呼ばれる米中西部・北東部地域ではNAFTAなど自由貿易協定のために工場の海外移転が加速し、国内雇用が失われているとのトランプの主張が住民の間にも浸透していたにもかかわらず、クリントン優勢を伝えていた。ところが、同じ記事の末尾で別の世論調査(リアルクリアポリティクス)を引用し、クリントンのリードは縮小し、オハイオではトランプが逆転したと伝えていた。

 ヒラリー側の敗因分析では、FBIのディレクターJames ComeyE-mail問題を再燃させたあと、訴追の可能性を打ち消したことにあるとするが、ヒラリー・クリントンが国務長官時代、ベンガジの米在外公館襲撃事件(2012年)の責任をもみ消したときから、機密情報に対する取扱いに疑惑の目が向けられていた。国家の機密情報を公私の区別なく、自宅のサーバーを使ってやりとりしていた。機密情報で私腹を肥やしていた可能性も指摘されていた。もとより、White-water事件やClinton-Foundationにはクリント家にまつわる幾多の疑惑がささやかれている。

 その結果、民主党優位とみられていたミシガンを落とし、オハイオ、ペンシルベニアなどラスト・ベルトを含む、スイング・ステイツでトランプが勝利を重ねて行った。その原動力は白人にある。といっても、日本で流布された低所得・高卒白人ブルーカラーというグローバリゼーションの波に乗れなかった敗者たちばかりが支持層だったわけではない。全米の投票率48%、その7割が白人だった。トランプ+共和党は、大幅に党員を増やしたスイング・ステイツで白人中心とした戦略的な選挙活動を行った。不法移民、イスラム系住民などマイノリティを攻撃し、日本など他国を敵に回し、”Make America Great Again”と連呼した。ここでいう、Americaとは白人コミュニティを指す。トランプの頭の中では、黒人やヒスパニックはアメリカ国民ではないのだ。他方で、ロシアには親近感を示す。白人=コーケイジアンとして同類項だからだ。アメリカ国内の白人はすべてヨーロッパにルーツを持つ。勿論、ロシアからも大量の白人移民が流れ込んでいる。米軍駐留経費負担の問題では、ドイツもやり玉に挙げているが、行きがかり上挙げただけで、日本に対するほど激しくはない。トランプの底意は、日本はメキシコから来た不法移民と同様、善良なアメリカの白人から職を奪い、安全保障のフリーライドしている、狡猾な国なのだ。これが、エリート層を含む白人たちの強い支持につながった。トランプの歯に衣着せぬヘイト・スピーチは白人たちの本音を代弁しているといっていい。

 20年前の1996年、ハーバード大学のサミュエル・P・ハチントン教授はその著書「文明の衝突」で、冷戦構造の終結のあと人種間の争いの時代に突入すると予言した。その中で、日本は東西陣営の狭間で右顧左眄し、最終的には中国側に就くと見做された。背後に、パール・ハーバーがあり、黄禍論がある。ビル・クリントン大統領は、通商摩擦解消のため、日米構造協議を通じて日本経済の弱体化を図った。その延長線上にTPPがある。アメリカの日本社会破壊の最終兵器がTPPだが、トランプはそれも手ぬるいという。安倍政権は自動車など一部の産業を守るが、金融・保険・農業などは英米巨大企業の草刈り場になっていいとを承諾した。原発もGEなどにロイヤルティを支払うために存続させ、再稼働させるほかないが、地域住民が放射能汚染されてもGEなどに一切の責任はないことになっている。あるいは、英米の巨大製薬企業が販売したワクチン接種で副作用が生じても、被害者に対しては日本政府が補償を肩代わりすることになっている。ワクチンにしても、タミフル・リレンザにしても、アメリカ側の要求に応じて、莫大な量を購入させられている。グローバリゼーションは「自由」貿易のはずなのに、小麦も国として、アメリカが要求する価格水準で一定量購入しなければならない約束になっている。あるいは、オスプレイなど防衛装備品についても、アメリカ側から要求されるままに言い値で言われる数量を購入しなければならないし、解禁された武器輸出という形でアメリカから武器を購入して第三国へ無償で支給してあげなければならない。そればかりでなく、アジア、アフリカ、中南米などに対して、ODAという形で何兆円もの援助をしなければならない。これも日米安保に従い、アメリカの同盟国を維持するため、日本が肩代わりする必要があるからだ。一応、借款という法形式をとるが、のちにすべて返済義務を宥恕されている。

 これだけの負担をさせておきながら、なおもトランプが米軍駐留経費の全額負担を要求するのは、本音では日本を盟友とは考えていないからだ。対中国で日本の役割は防波堤に過ぎない。彼によれば、日本の政治家・官僚をびびらせれば、自国民を犠牲に、いくらでも媚を売ってくる卑屈な人種である。原発もアメリカとの密約で廃止できない。福島第一原発一基だけの廃炉費用でも15兆円以上もかかる。日本全国に55カ所も原発がつくられているが、その廃炉費用は一切考慮されていない。そればかりではない。原子力発電所の建屋がある場所・周辺は未来永劫使えない。未来永劫、放射能漏出汚染リスクがつきまとうだけである。北朝鮮からミサイルが着弾すれば日本は壊滅する。ドイツではマインツ大学の20年に及ぶ調査で、原発周辺住民のがん罹患リスクが有意に著しく高いことが立証されているが、日本政府はがん登録制度がないことを理由にデータを開示していない。福島原発事故で東日本でがん罹患リスクが顕在化しつつある。がんの生涯罹患率は2人に1人と発表されているが、この数字は3人に2人に近づいている。若くしてがんを発症する人も増えている。厚労省がいうように必ずしも高齢化だけが要因ではない。

 安倍政権は戦後史上、もっとも親米の傀儡政権である。トランプ大統領の下では、いよいよ露骨に保身を図るだろう。すでに年金改革法案は衆議院を通過した。年金の受取額は年15万円ほど減額される。多くの若者は知る由もないだろうが、民間企業従事者が退職後年金生活に入った場合、年間受給額は2百万円ほどである。ここから、15万円引き下げられるのである。デフレだからと引き下げられ、さらに賃金が下がっているからと引き下げられる。デフレでも野菜など食料品価格は上がっている。消費税も10%に引き上げられるが、そこでとどまるわけではない。さらに15%までは一本道となる。しかも、政府・日銀はインフレを志向している。モノの値段を引き上げようとしている。貯金は目減りする。そうなると、円安で輸入品価格も上がり、公共料金も引き上げられる。最近、メルク、GSK、ファイザーなど外資系メガファーマのCMでわかるように、日本政府に働きかけ、補助金を出させて高齢者にワクチン接種を奨めている。これも税金である。小野薬品・BMSのオプジーボに法外な薬価をつけさせ、すぐにその競合薬の承認申請をしている。アンカーリングという手法である。オプジーボの価格が目安となるから、薬価を高く設定できるというわけだ。まさにアメリカ型医療の典型が導入されようとしている。過去に公務員だった人々を除き、多くの人々の老後は悲惨なものにならざるをえない。(厚生年金保険料は所得の上限が低いため、公務員に比べ受給額は著しく低い。このため、過去において民間では、大企業を中心に確定給付型年金+厚生年金基金で受給額を増やしていたが、運用損でほとんどすべての厚生年金基金は解散し、確定拠出型に切り替わってしまった。若い人たちは年金で老後生活は維持できない。これから原発の廃炉費用も電気料金にオンされる。老後の働き口もない。)

 

 トランプ旋風ではっきりしたことは、アメリカ国内が分断されているということ。トランプは減税などによって、白人層の所得を引き上げる政策を強行に推し進めるだろう。その結果、アメリカ国内の黒人・ヒスパニックなどマイノリティーの生活はますます困窮する。アメリカに進出した日本企業については、すでにオバマ政権下でも、カルテルなど談合疑惑をおとり捜査によって厳しく暴き、多額の懲罰金を課すと同時に、駐在員を帰国させても召喚し、刑務所に収監しはじめている。トランプ大統領の下では、過小資本規制など日系企業に対するバッシングを強化するとともに、TPPで合意した内容以上に厳しいテイクを要求するだろう。日本国内でも、官公庁の入札にあたって談合がささやかれることが多いが、TPPでは、そのすべてが俎上に上り、応札できなかった英米企業が日本国を訴え、アメリカの息がかかった国際裁判を通じて得べかりし利益を支払わされるとともに、嫌疑がかけられた日本企業のアメリカ子会社にも課徴金がかけられるだろう。つまり、アメリカは自由貿易を謳いながら、国内向けは実質保護主義を推進し、日本市場に対してはすべての非関税障壁を撤廃させ、米企業に有利にアクセスさせるよう強く要求してくるはずだ。

 今回、隠れトランプの存在が指摘されたが、隠れトランプ同士は事前にインナーサークルで交流し、トランプ勝利を確信していただろう。白人の中・上流層はネットやSNSで監視されていることを熟知している。世論調査であっても、後日追跡されるリスクがある。つまり、調査会社を通じて、個人情報が漏出していくことを危惧している。先に上げたロイターの調査でも、自らを不法移民であるとしながらトランプ支持者であるといった不可解なレスポンダーもいたと指摘されている。今後、この傾向がますます強まるだろう。ビッグデータ収集といいながら、個人データを商品として再利用しようとする調査会社の方に問題があるからだ。詐欺から国家による介入まで無限のリスクを引き受ける覚悟がないと正直に答える人はいない。サンプルによって母集団を推測しようとする世論調査は役に立たなくなった。それに代わって、ネットから個人情報を収集し、スティルス的に分析し、個々人をターゲットにする選挙戦術が実施されるだろう。ネットのバックドアから秘密裡に情報取集できる現政権が大衆を自在にコントロールしていく姿が近未来の選挙戦術ということになるだろう。安倍政権は長期政権となるはずだ。


スポンサーサイト

  • 2016.12.25 Sunday
  • -
  • 03:39
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック
calendar
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< March 2017 >>
sponsored links
コメント
selected entries
categories
archives
recent comment
recommend
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM