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抗がん剤とオプジーボはバッティングし悪液質を招くだけ

 このところ、「がん」が話題とならない日はない。がん保険のCMでは、「19歳のときがんが見つかりました。がんになって、いい子をやめました」という山下弘子さん(24歳)、咽頭がんで声帯を摘出した“つんく”氏(47歳)が登場している。市川海老蔵の奥さんである小林麻央さんは33歳の若さでステージ4の進行性乳がんに罹患しているという。北斗晶さん(49歳)も乳がんで闘病中であることを公にしている。マスコミによると、いずれも標準療法(手術、化学療法、放射線)を選択しているとされる。(但し、ステージ4の患者の場合、周囲組織への浸潤、遠隔転移が確認されているため、原則として手術は選択肢とされない。)

 昨年924日、女優の川島なお美さんが54歳で亡くなった。肝内胆管がんだった。抗がん剤治療を最期まで拒んだという。今年の99日、一周忌を前に夫の鎧塚俊彦がテレ朝「徹子の部屋」に出演し、「女房のことに関して言えば、僕は抗がん剤はやらなくて正解だったと思いますし、本当に最後まで女房は頑張って幸せだった」と語った。鎧塚夫妻著書『カーテンコール』(新潮社)の中で、決断に至った経緯が述べられている。主治医から、抗がん剤治療しか打つ手はないが、余命1年には変わりませんと宣告され、「(抗がん剤の)副作用にも耐え、抗がん剤治療を行う意義がどこにあるというのでしょうか?人としての尊厳を傷つけ、女房にとってすべてでもある、女優としての生き方にも支障をきたす抗がん剤治療に。要するに、現代医学では抗がん剤治療しか施せる術(すべ)はなく、万が一の可能性に賭けましょうということでしかないのです」と判断されたという。

 「徹子の部屋」で最期を振り返り、夫婦二人きりになって「『今日は徹夜だな』なんて言って、『2人でゆっくり過ごそうな』なんて。もうその時意識がなかったんですが、その途端っていう感じですね。・・・女房は僕の手をしっかりと握り締めて、体を起こして僕の顔を、目をしっかりと見てですね。最後もうほっと一つなんか魂を吐くように息をしたかと思ったらすっと…」、天国に召されたという。

 鎧塚ご夫妻は正しい選択をなされたと思う。抗がん剤を中心とする化学療法を受けた末期がん患者はモルヒネなどオピオイド系鎮痛剤も効かず、苦痛に喘ぎながら悲惨な最期を迎えるからだ。がん(性)悪液質と呼ばれ、体中の組織が非可逆的に自壊していく過程を通らなければならない。もちろん、がん細胞の増殖も一因ではあるが、抗がん剤による骨髄抑制など正常細胞が機能を喪失した結果である。5FU(乳がん治療などで使われる抗がん剤)などでRNAが破壊されたため、アルブミンなどタンパク質が正常につくられなくなる。そうなると、血管が浸透圧を保てなくなり、水分を吸収できない。腹水、胸水が溜まり、身動きのとれない患者を圧迫する。造血幹細胞が破壊され、古い白血球、リンパ球が暴走し始め、様々な(炎症性)サイトカインを放出する。がん細胞からもサイトカインが放出される。インターロイキン、インターフェロン、TNF−αなどが体内で自己組織を攻撃する。がん性(神経性)疼痛にはモルヒネも効かない。薬剤耐性といわれるが、そのメカニズムはわかっていない。モルヒネの大量投与は胆のうを破壊する。

 ところで、「がんが自然に治る生き方」(ケリー・ターナー著プレジデント社201411月)という本がアメリカで発売と同時に米アマゾン“がん部門”1位になり、NYタイムズ・ベストセラーに選ばれた。日本でもベストセラーとなっている。https://www.amazon.co.jp/%E3%81%8C%E3%82%93%E3%81%8C%E8%87%AA%E7%84%B6%E3%81%AB%E6%B2%BB%E3%82%8B%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%96%B9%E2%80%95%E2%80%95%E4%BD%99%E5%91%BD%E5%AE%A3%E5%91%8A%E3%81%8B%E3%82%89%E3%80%8C%E5%8A%87%E7%9A%84%E3%81%AA%E5%AF%9B%E8%A7%A3%E3%80%8D%E3%81%AB%E8%87%B3%E3%81%A3%E3%81%9F%E4%BA%BA%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%8C%E5%AE%9F%E8%B7%B5%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B9%E3%81%A4%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8-%E3%82%B1%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC/dp/4833421070

 医者から余命宣告された「がん患者」が自然治癒する事例が世界各地に数多くあることを知った著者がそうした事例を徹底調査・分析して生存者たちが実践する「9つの習慣」にまとめたものである。医者側からすると、奇跡的にがんが自然退縮したというほかなく、診療収入につながらないため、他の患者に「偽りの希望」を与えるという理由で公にされることはほとんどなかったという。しかし、世の中には、がんの自然退縮を研究した医学論文も存在する。著者はそうした論文を1000本以上分析して、自然退縮への道を探っている。

 現代の西洋医学はデカルト的な物心二元論に依拠している。すなわち、肉体と精神は別物として扱い、がんは遺伝子のコピーミスによって引き起こされる肉体的なものだとする。悪性新生物である「がん」に対する標準療法である手術、抗がん剤、放射線のいずれもが正常細胞も傷つける。がんの再検診で行われる生検でもがん細胞の切り取り方次第では、がん組織から体内へがん細胞をまき散らす可能性がある。マンモグラフィ、CTPETも重篤な放射線被曝を招いている。そもそもがん細胞は目に見えないほど小さい。放射線画像で白く写ったからといって、がん細胞がそこだけに局在しているわけでもない。細胞診・組織診でもがん細胞の異形度・未分化度など病理医の判断は主観的なものに過ぎない。しかも、抗がん剤、放射線(手術の前後に放射線を照射して「がんを小さくする」という施術が一般的だから手術も)は骨髄抑制を伴う。がん化を抑制する免疫システムの根幹はT細胞であるが、骨髄抑制で死滅する可能性もある。(ところが、骨髄抑制の指標として、多くの病院で好中球数しか見ていない)つまり、標準療法では、ヒトの免疫システムを破壊する。

 今話題のオプジーボは結局、NK細胞やキラーT細胞(CTL)という免疫細胞(リンパ球)にがん退治をやってもらおうという考え方に立っているが、シスプラチンやカルボプラチンといった白金系抗がん剤と併用することになっている。免疫細胞の力を借りようとしながら、抗がん剤で免疫細胞を殺すか弱らせるという矛盾。オプジーボの薬価が問題とされているが、そもそもその薬効にも疑問符がつく。奏効率は2割ほどしかないからだ。副作用も気になる。重篤な自己免疫疾患が予想される。それでも「画期的」といわれる所以は、他の抗がん剤がもっと効かないというに過ぎない。統計上、p値にはそれほどの意味しかない。薬価が高く設定された背景にはTPPがある。日本の小野薬品(とBMS)を当て馬にして、英米メガファーマが特許権を盾に高額医薬品を次々と日本に上陸させようと目論んでいるからだ。そういった遠謀深慮のためには中央社会保険医療協議会総会をコントロールするぐらい朝飯前だろう。医薬品の開発費が膨大だという理屈は通らない。開発費よりもマーケティング費用がはるかに大きい。中でも裏金を含め、ロビー活動に費やされる金額は天文学的だといえよう。ノバルティスのディオバン(バルタルサン)、タケダのブロプレス(カンデサルタン)といったARB降圧剤で両社がどのような詐欺的行為を行ったか、そして、それにどれほど費用がかかったか。

 がんは西洋医学では太刀打ちできない。神経系、免疫機構、内分泌系などホーリスティックに対応していかなければ無理だ。笑えばNK細胞が活性化されるという事実はカルトでもなんでない。受精卵に由来する自己細胞が異型化したがん細胞は単純な免疫細胞療法やワクチン療法でも攻略できない。がん細胞が増殖したという事実は本人の免疫系が阻止できなかったということにほかならないからだ。しかも、これまでもがん治療には、TLRという自然免疫系の知見も、TCR再構成という獲得免疫系の知見も、オートファジーという細胞解体機構の知見も考慮されていない(胸腺とオートファジーの関係が重要かも知れない)。

 抗がん剤はあらゆる細胞にネガティヴに影響し、最期は悪液質を引き起こす。だとすれば、がん患者としては自然退縮の方途を探った方が実りが多いのではないか。統計操作で1~2週間の延命効果があったように偽装されている抗がん剤の生存率グラフは、たとえそれを鵜呑みにしたとしても、死の床で「のた打ち回る」ほどの激痛に苛まれ最期を迎えることになる。終末期医療という名目の下に、大口病院に回されてきた患者たちは空きベッドを作るために人工死させられた可能性もある。大口病院に限らず、緩和ケア、ホスピス、終末医療を専門とする医療現場は延命治療は施さないという同意書の下に栄養剤の点滴も行わず、鎮痛剤と鎮静剤を皮下注にしたまま、体重の重い男性患者の場合排泄処理も怠り、ベッドの回転率を高めることだけにあくせくしている、というのが現実なのである。抗がん剤の末路は悲惨といわざるをえない。


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  • 2017.05.29 Monday
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