待ったなしとなった憲法9条改正

 22日に実施された衆院議員選挙は大方の予想通り自民党の圧勝だった。安倍晋三の勝利だ。北朝鮮危機を奇貨として、国民の不安を煽り、日米安保の重要性を最大限強調したうえで解散。ライバル民進党のエース山尾志桜里の不倫スキャンダルを週刊文春に暴露させ、敵失の中、焦った前原誠司を小池百合子の元へ走らせ、小池の「排除」発言をとらえ、希望どころか「鬼謀の党」を印象付けさせた。森友・加計という自身のスキャンダルについては、「愚直に、真摯に説明責任を果たしていく」と繰り返すだけで、あたかも不問に付されたかのごとく振る舞った。安倍語録では現実の「傲慢さ」は、いとも簡単に言葉だけの「謙虚さ」に変身する。

 安倍政権はGPIF資金や日銀を使って株高に導いている。一見、雇用は改善されているように見える。これも東京オリンピック招致に成功した効果だ。安倍政権は具体的な成果を数字を挙げて訴えた。18歳以上の若者層の多くは自民党に投票した。無理もない。有権者の多くが、そうした仕掛けに幻惑され本当の姿が見えなくなってしまっているからだ。少し考えればわかることだが、景気が回復しているのなら、どうして企業は内部留保を取り崩して投資を再開しないのか?どうしてゼロ・マイナス金利のままなのか?消費が上向かないのはなぜか?株高はタコが足を食べているに過ぎない。将来、年金資産は払底する。

 前原は「希望の党」との合流について民進党議員総会を「自分に一任させてくれ」という言葉で締めくくった。野田政権下、紛糾した民主党のTPPプロジェクト会議も「一任させてくれ」で強引に打ち切った。前原誠司という政治家はCSISのエージェントである。CSISが民主党・民進党に送り込んだスパイであると以前ブログで指摘した。その前原らの反乱で鳩山・小沢が画策した戦後政治の変革はとん挫した。中国・北朝鮮の脅威を煽り、集団的自衛権をスムーズに行使できるように憲法を改正するという前原の主張は安倍・小池と同じだ。小池・前原らに第二自民党をつくらせ、第一自民党との二大政党制を敷くというのが、CSISのアイディアである。間違っても日米安保を基軸とする戦後レジームの見直しはさせない。小池新党は第一自民党がぐらついたときの保険政党としようとしたのだ。

 小池百合子の「排除」発言はある意味当然だった。民進党の衆議院議員全員を受け入れれば、間違いなく「野合」と批判されただろう。この「排除」をメディアを通じて最大限悪意に解釈し、希望の党のイメージを毀損させた安倍一派の手腕は秀逸だった。結果として、前原は、偽メール事件で政界から葬り去られた故永田寿康氏と同じ役回りを演じさせられることになった。

 安倍晋三は解散を決断する直前、外遊の途中、アメリカに寄った。森友・加計問題で支持率が急落したとき、CSIS(ヘンリー・キッシンジャー、マイケル・グリーン)は政権のサステナビリティに疑問を抱いたのだろう。衆院の3分の2を確保していながらもたもたして憲法改正ができない。だとすれば、小池・第二自民党に政権を荷わせて突破させようと考えた。文春砲を使って安倍政権に揺さぶりをかけた。CSISの信頼を取り戻すために安倍は選挙で過半数を獲得するほか選択肢はなかったということだ。今回の衆院選の結果、安倍政権は3分の2を維持した。ということは、憲法改正はまったなしである。安倍晋三の顔が浮かれていなかった理由は、ここにある。速やかに憲法改正しなければCSISに無能の烙印を押されるからだ。明日にでも憲法改正の国会決議はできる。問題は国民投票である。国民の前では、今から「謙虚」さをアピールしておく必要がある。ターゲットは若者だが、この層はレトリック次第でどうにでもなる。

 昨夜、フジテレビで坂上忍をMCに教育問題を主題にした番組を放送していた。泉谷しげる、武田鉄矢、養老孟司ら文化芸能人が出演していた。その中で、日本の相対的貧困率は高く、7人に1人が貧困の時代となっているため、貧乏人の子供は高等教育を受ける機会を奪われているとし、現在、高齢者に支給されている55兆円の社会保障費を減額し子供の教育費(現在7兆円しかない)へ再配分せよと主張していた。貧困家庭の世帯年収は平均125万円しかないからだという。しかも、高齢者に処方される薬剤のうち残薬が500億円もある。高齢者は安易に病院に行かないようにするべき、とも主張していた。さらには、1千兆円もある預貯金残高の大半は高齢者が保有している。預貯金に資産課税(つまり、預貯金に1%税金を課する)するべきとも。こうした提案にスタジオで番組に参加していた中高生・保護者らの7割が賛成の意思表示をした。泉谷しげる・武田鉄矢・養老孟司らはこぞって賛成だった。

 この番組の主張はまさに安倍晋三の政策に沿う内容だ。増大する高齢者に対する社会保障費を削減し、預貯金課税の導入も視野に入れている。実際、高齢者の健康保険料は引き上げられ、医療費負担も1割から3割に増やされる。新たに介護保険料も課される。年金給付も減らされ続けている。番組では、高齢者をジジババと呼び、あたかもジジババが子供を犠牲にして社会保障費を独り占めしているかのような印象を与えるものだった。ジジババは子供らの敵だといわんばかりの印象操作に終始した。

 子どもたちに誤解してほしくないのは、高齢者に対する社会保障費の大半は年金給付に充てられる。厚生年金の場合、平均給付額は年間180万円程度である。高齢者は、これで生活しなければならない。たしかに相対的貧困の世帯収入125万円よりは多い。だから、泉谷や武田は高齢者も働けともいう。昔の老人は逞しく高齢になっても働いていたと。しかし、現在、ふつうの老人の働き口は極めて少ない。加えて、年金以外の所得があると所得税が増えると同時に年金給付額は減らされる。預貯金を取り崩して生活費に充てているのが実態なのだ。加齢とともに持病は増える。医療費の支出は増えていくほかない。そもそも薬の過剰処方、残薬の問題は、医者側の問題ではないか。そもそも安倍政権は、社会保障費に充当するとして消費税増税を断行したのではなかったのか?駐留米軍への思いやり予算は青天井に近い。史上最高となった5兆円超の防衛費予算こそ問題ではないか。

 いうまでもなく、フジテレビは安倍政権応援団であるが、このような番組に埋め込まれた洗脳装置は極めて巧妙で未熟な視聴者・子供たちは容易に自民党支持者となるだろう。こうした番組で、病気がちな高齢者や障碍者は社会の邪魔ものであり、排除すべきものという優生思想が再生産され続けていく。同時に、社会は知らず知らずのうちにますます暴力的になっていく。社会を分断し、内部対立を煽り、宗主国への反感エネルギーを中和化する。これこそ、イギリスのインド統治、スペインのメキシコ統治など欧米による植民地経営の方程式である。CSISを通じた日本人コントロールもまさにこの方程式を踏襲するものだろう。安倍、小池、前原らは所詮、駒に過ぎない。


アメリカの操り人形「日本」と衆議院選挙

 駅前は黒山の人だかりだった。人垣の奥で美声が響く。声の主は小泉進次郎だ。冴えない自民党候補者の応援演説。人込みを足早に通り抜けた。聞いても仕方がないからだ。彼のコトバに意味はない。

「国民の命と財産を守るため」に、北朝鮮に経済制裁圧力をかけ続けるのか?76年前、当時の日本は石油禁輸など圧力をかけ続けられた結果、開戦の火ぶたを切らざるをえなくなった。最後通牒となったハル・ノートの起草者ハリー・ホワイトは武器貸与法案作成にも参画した人物である。F.D.ルーズヴェルト大統領(FDR)の側近アルジャー・ヒスとともにソ連のスパイだった。(ヴェノナ文書)ただし、当時のソ連は連合国側の一員であり、枢軸国のナチスドイツの侵略によって多大な被害を被っていた。第二次世界大戦で2千7百万人もの犠牲者を出した最大の被害国である。(日本人犠牲者は3百10万人、アメリカは40万人だが、太平洋戦争に限定すると18万人)ヤルタ会談などでスターリンに対日参戦を強く促したFDRも親ソ派だった。(スターリンに日ソ不可侵条約破棄を迫ったのはFDR)昭和16年、「アメリカ=国際社会=連合軍=国際連合(United Nations)」は日本に満州から出ていけと圧力をかけた。日清、日露戦争を経て、多大な犠牲を払い、多大な投資を行い開拓し、溥儀を擁して満州国という民族自決の体裁まで整えた日本の生命線を放棄しろと迫った。極東において、ソ連の脅威となっていた、日本の国力を減ずるためだった。アメリカは、もちろん、日本が窮鼠猫を噛む行動に出る可能性が高いと踏んでいた。アメリカは日本の外務省のパープル暗号、海軍のJN-25など解読を済ませ、真珠湾奇襲攻撃(ニイタカヤマノボレ)や宣戦布告も事前に掌握していたからだ。ドイツのエニグマの解読にはチューリング・マシーンの貢献が多大だったといわれるが、座礁したU-ボートからコード・ブックを回収するまで解読不能だった。日本の外務省、陸軍、海軍が使用した暗号解読には、ルース・ベネディクト(Ruth Benedict)著「菊と刀」にも示唆されているが、外務省など日本人スパイがかかわっていた可能性が高い。

 さて、日本の民主主義はマッカーサーによって導入された。日本敗戦後、本来、「連合国」の分捕り合戦となるべき「日本」は、トルーマン―マッカーサー・ラインの狡猾な策略によって、極東委員会を有名無実化し、マッカーサー・GHQ独裁という日本占領統治を可能にした。マッカーサーは極東委員会が組成されるまえに、日本国憲法を制定させ、外形的に法治国家としての体裁を整え、天皇制という上意下達の社会構造の上位に自らを「神」として位置づけさせた。戦後史は、「吉田茂首相は・・・」などと日本人を主語として記述されているが、日本の首相などGHQの操り人形に過ぎない。P.C.ブルームが初代CIA東京支局長とされているが、CIAはもちろん、G2、GS、CISなど様々なセクションが日本人社会にスパイ網を張り巡らせ、反米・純粋なナショナリストを根こそぎ抹殺した。その手足となったのが、旧日本軍将校たちである。河辺機関、有末機関、辰巳機関、服部機関、辻機関など、戦犯→処刑を免れるために、暗殺でもなんでも手掛けた。児玉誉士夫などともつながり密輸で財を成した。

 マッカーサーがとくに注力したのは、日本人の精神性をブツ切りにすることだった。このため、情報の検閲と焚書を断行した。日本国憲法を制定したマッカーサー自ら「国民の知る権利」を蹂躙していたのだ。だが、もっと重要なことは、その手足となって働いた日本人の知識層の存在である。新聞、ラジオ、郵便物など検閲の最前線を担当したのは大学教授たちだった。その数1万人ともいう。そうして、戦前日本を否定する学説のみを流布させた。その代表が丸山真男である。戦後、同盟通信社の中屋健弌にGHQ式「太平洋戦争史」を翻訳させると、中屋に東大教授のステイタスを与え、「東大」の権威をもって、アメリカ式「日本の歴史」を日本の子供たちの頭に焼き付けた。そして、このプロトコルに反する教科書は検定ではねさせた。この歴史教科書検定制度は連綿と続けられ、現在に至る。

 教科書的には、1952年4月28日発効したサンフランシスコ講和条約で日本は独立を回復したことになっているが、実態は現在も占領政策が継続されている。そのカギは講和条約11条にある。マッカーサーらの占領政策期間中行われた婦女暴行・窃盗・暗殺など謀略を不問に付すこと、密約の継続が求められている。日本側は丸のみにするしかなかった。その結果、アメリカが構築した様々な制度にぶら下がった日本人たち及び日米関係がそのまま温存されることになった。

 第二次世界大戦後、ソ連・中国など共産主義勢力の台頭は、西側陣営と朝鮮戦争で力対力の決戦を余儀なくされた。アメリカはマッカーシズムなど共産勢力の排除に向かった。日本を反共防波堤と位置づけ、日本に警察予備隊→保安隊→自衛隊という軍事組織を作らせたのは、アメリカに外ならない。これを「逆コース」という。それまで、農地解放や労働組合の組織化など、社会民主的な改革を行ってきたマッカーサーに退陣を迫ったのがトルーマンだった。憲法9条をつくったマッカーサーの意図は、日本人に未来永劫歯向かわせない、そのために武力を持たせない、というものだった。ところが、水爆も手にもった共産主義勢力が日本に上陸する可能性も出てきてしまった。そこで、それまでのGHQ政策を逆回転させはじめたのだ。まさに老兵マッカーサーは消え去るのみだった。

 さて、警察予備隊創設に際して、アメリカ軍はそれまで保持していた中古の武器を日本に購入させ、アメリカ式の訓練を施した。このとき、復員後、職にあぶれていた旧日本兵らの雇用先が見つかった。将校らはこぞってアメリカ軍のために日本兵をリクルートした。

 憲法9条「戦争放棄」条項があるにもかかわらず何故、自衛隊が存在するのか?なぜ、集団的自衛権行使が必要となったのか?すべて、アメリカから強く要求されたからである。アメリカという「暴力装置」はサンフランシスコ講和条約以降も日本に据えられたまま、日米地位協定でいつでもどこでも米軍の意のまま日本の国土を接収できるのである。横田ラプコンをはじめ、日本の上空もアメリカ軍の意のままであり、かつてアメリカ国内黒人密集地域にしたように日本上空でもヘリコプターから放射性物質を散布することもできる。たまたま広島で米軍戦闘機が赤外線ホーミングミサイルをご誘導させるフレアを発射する訓練が確認されているが、米軍はなんでもできるのである。アメリカ国内では住宅地上空の低空飛行は禁止されているが、日本では一切お構いなし。沖縄の赤江でヘリが墜落したが、かつて赤江の住民を仮想ベトナム人とし、四方から機銃を向けた訓練を実施していた。

 普天間基地移転問題も嘘で塗り固められている。一部海兵隊員をグアムへ移動させるからといって、日本が経費を肩代わりすることになったが、その数は大幅に水増しされている。しかも、グアムに新たに軍用道路をつくる必要があるとしてその費用も日本国に支弁させようとしているが、実際にはそのような計画はないことがわかっている。

 

 要するに、日本はアメリカに占領されたままなのだが、その片棒を担いでいる日本側の組織・ネットワークが固く維持されているために日本国民は自らがオレオレ詐欺に遭っていることを自覚できていないのだ。森友の籠池氏、加計氏など安倍晋三個人の取り巻きはもちろんのことだが、外務省を中心とする官僚組織、テレビ・新聞、メディアを背後で操っている電通などと、警察・検察・裁判所などが一体となって堅牢なネットワークを成り立たせている。

 東芝の元社長西室泰三氏が亡くなったが、彼の経歴を見るとアメリカ・官僚の手先となって働いたことがわかる。ウエスチングハウス、ウエスタンデジタルなどとの取引を仕切り、東芝に1兆円以上の損失をもたらしたのも、東芝に院政を敷き「チャレンジ」と呼ばれる無理な「改善運動」を強要し、その結果を粉飾させたのも、安倍政権下、郵政民営化委員長から日本郵政初代社長に就任し、豪州の物流会社トール・ホールディングス買収を独断で決定し、4000億円の巨額損失を与えたのも、この人物だった。アメリカ・官僚は、彼の出世欲を利用して、買収をもちかけた。この構図は、三菱、日立にもあてはまる。原発・軍需産業は、アメリカ(イギリス)政府と深い関係がある。イギリスで日立の原発建設のために邦銀などが融資を強要されているが、結局、日本政府が2兆円保証をすることになった。(最後は税金で賄うことになる)これがなければ、日立の原発ビジネスも東芝同様危ない。安倍政権では、武器輸出三原則も、「防衛装備品移転」と看板が挿げ替えられ、いとも簡単に三菱などの軍需産業が息を吹き返している。東芝の命脈はこれに頼るほかないだろう。随意契約で実質補助金を与えることができるからだ。

 読売・産経・日経などは100%アメリカの支配下にあるが、朝日・毎日などもゴマすりに徹している。公私にわたる「暴力装置」が社会に縦横に配されている「戦後日本」の実態は知れば知るほど、北朝鮮並みだと言わざるを得ない。

 日米安保条約で日本が守られているなら、北朝鮮に拉致された「日本人」奪還に何故、アメリカは力を貸さないのだろうか?消費税増税が増大する社会保障費を賄うためであったなら、何故、毎年毎年、健康保険料も年金保険料も引き上げられなければならないのだろうか?しかも、高齢者の負担率も上がっている。無職の高齢者に今年から、介護保険料(年額約10万円)を支払わせるのはどうしてか?安倍晋三は、2%引き上げが決まっている消費税増税5兆円を国債償還に充てるのではなく、子育て世代・教育の無償化に充てると言い出した。あれ?社会保障費に充当するのではなかったのか?来年度の防衛予算5兆円は史上最高額である。アメリカの言い値で、中古オスプレイ、イージス・アショアを購入するという。あれだけ北朝鮮を煽り、北朝鮮に日本の原発を狙うと言わさせた成果なのだろう。イラク戦争でPAC2の的中率は9%。PAC3、イージス・アショアの的中率はいかほどなのか?

 安倍政権になって、情報開示は皆無に等しい。「ない」、「破棄した」で国民は満足しているのだろうか?国会の冒頭解散が可能なのも、衆議院で3分の2以上の絶対多数を確保しているからだ。国会でまともな質疑応答をする必要がない。野党と拮抗していれば、安倍昭恵夫人も加計孝太郎氏も証人喚問できるはずだ。

 


種子・原発ビジネス、軍需でもアメリカに貢ぎ続けるだけの日本。

  最寄り駅への道端、アスファルトの切れ目に薄茶に変色し立ち枯れした雑草が並んでいる異様な場所がある。数か月前にテレビで流されていた、ラウンドアップ・マックスロードAL(販売:日産化学工業)のCMが目に浮かんだ。家庭用除草剤である。当時、行きつけのホームセンターでは、販促キャンペーン中だった。ところが、2017年6月26日、米国カリフォルニア州環境保健有害性評価局(OEHHA)が、州で定める「プロポジション65」(1986年安全飲料水及び有害物質施行法に基づく)の発がん性物質リストにラウンドアップ・マックスロード®の有効成分「グリホサート」を加えると発表したあと、しばらくしてこのCMは消えた。

ラウンドアップはモンサントが開発した除草剤(「非選択性」茎葉処理剤:植物に必要なアミノ酸をつくる「シキミ酸合成経路」という代謝経路)を阻害する)であり、ラウンドアップ・レディーと冠された、遺伝子組み換え農作物(小麦、トウモロコシ、大豆など)と抱き合わせで販売・使用されている。たとえば、ラウンドアップ・レディー大豆は、除草剤ラウンドアップを散布されても枯れないように遺伝子組み換えされている。広大な農地で単一栽培するために、遺伝子組み換えした農作物の種子を不耕起のまま飛行機で空中散布すると同時に除草剤ラウンドアップも散布する。雑草は生えてこないが、ラウンドアップ耐性が付与されたGM(遺伝子組み換え)農作物の生育には支障がない。GM農作物の中には害虫駆除物質も産生するように改変されてもいるものもある。(種子をネオニコチノイド系殺虫液に浸してから播種することもある)日本での販売は住友化学や日産化学が行っている。

もともと、モンサントという会社は第二次世界大戦中、化学兵器の開発に携わり、ヴィエトナム戦争で使用された枯葉剤(エージェント・オレンジ)の製造元だった。当時、枯葉剤に接触したヴィエトナム人はもちろん、米兵らは神経毒性、発がん性、繁殖能に対する影響、催奇形性及び遺伝毒性に蝕まれ、重篤な症状を呈することが多かった。下半身がつながった結合双生児ベトちゃん・ドクちゃんは、一例に過ぎない。

  ラウンドアップ+遺伝子組み換え農作物(GMO)の危険性については、これまで世界各国の研究者が警鐘を鳴らしてきた。ところが、そうした研究者はバッシングを受け、勤め先の大学、公的機関などから追い出され、生活の糧を失うことになるのが常である。とくに、アメリカ国内では、モンサントに異論を唱える学者は絶滅したといっていいが、ヨーロッパでは様相は異なる。2012年9月、フランス、カーン大学のセラリーニ教授らの研究チームが、2年間にわたってラウンドアップ・レディーGMトウモロコシ(NK603)を200匹のねずみに与えた実験結果「Long term toxicity of a Roundup herbicide and a Roundup-tolerant genetically modified maize」が「Food and Chemical Toxicology」(FCT)に発表された。実験群の雌ラットの5割〜8割には若くして大きな腫瘍ができ、対照群の3割とは大きな差が認められた。雄ラットでは腎臓と肝臓に障害が起きる確率が有意に高かったという。ところが、11月になって、この学術誌の発行元Elsevier社は、この論文の取り下げを発表(http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0278691512005637)したが、2014年6月、the journal Environmental Sciences Europeに再掲された。数々の批判に対して、そもそも、初稿時に3人のピア・レヴュー(査読)を経たうえでFCTに掲載されたはずだというのである。この実験を実施するにあたり、セラリーニ教授らはNK603の調達に苦労し、実験場所も秘匿しなければならないほど、モンサント側からの圧力がひどかったと述べている。日本でも、セラリーニで検索すると、バッシング記事がてんこもりで出て来る。その論拠は、英米圏のマスコミ(News Week、Forbs)が伝えた内容を翻訳しただけのものである。日本にも、こうした流れに勇気をもって懸念を示す医師もいる。(http://robust-health.jp/article/cat29/mohnishi/000494.php

  しかし、2016年7月、内閣府食品安全委員会は、グリホサートには、「神経毒性、発がん性、繁殖能に対する影響、催奇形性及び遺伝毒性は認められなかった」とする意見書を出した。これは、国際がん研究機関(IARC)が2015年3月に除草剤グリホサートがグループ2A「probably carcinogenic to humans(おそらく、ヒトに対して発がん性がある)」に分類したことに対抗して、2016年5月、FAO/WHO合同残留農薬専門家会議(JMPR)が「食を通じてグリホサートがヒトに対して発がん性のリスクとなるとは考えにくい」と発表し、混乱がみられたためだ。要するに、IARCによれば、グリホサートは人に対してがんを誘発する物質であるが、JMPRは、農薬としてのグリホサートが人体にどの程度残留し、発がんに結びつくかは別問題だというのである。だが、ラウンドアップ耐性雑草が出現し、この除草剤の効き目は薄れてきている。農家では、散布量(dose)を大幅に増やさなければならなくなってきている現状に照らせば、苦しい言い訳に過ぎない。すでに中南米やアフリカで農民の健康被害が問題となっているからだ。

ひとつ確かなことは、グリホサート+GMOのリスクに関して、世界は真っ二つに割れているが、モンサント側はカネと政治の力?で政治・行政・アカデミーを牛耳っているという事実である。

  もとより、安倍政権はモンサントなどアメリカのエスタブリッシュメントのいいなりである。内閣府食品安全委員会という「独立」第三者機関を装ってグリホサートの安全性にお墨付きを与えたのは至極当然の成り行きだった。モンサントの背後には、ビル・ゲイツ&ミランダ財団の影が見え隠れしているからだ。

 過日、テレビでノルウェーにある種子貯蔵庫が紹介されていた。将来訪れるかもしれない植物絶滅に備えて、世界中の種子標本を、北極点近くのノルウェー、スピッツベルゲン島にある『スヴァールバル世界種子貯蔵庫』で保管しようというプロジェクトのことだ。2008年1月から開始され、100カ国以上から10,000種を超える種子標本が集められ。保存されている。ビル・ゲイツ&ミランダ財団とモンサント、シンジェンタなどが出資しているという。テレビのコメンテーターは、「素晴らしいプロジェクト。いろいろなプロジェクトにカネを出しているビル・ゲイツは素晴らしい」と称賛した。しかし、モンサントは一方で、世界中の植物のゲノムを解析し、特許登録している。そして、ゲノム編集したGMOで世界の農産物を独占しようとしている。その結果、原種は絶滅の危機に瀕している。だからこそ、原種を保存する必要があるのだが、同時に種子ビジネスも独占しようとしている。つまり、これからは、種子はモンサントらが独占販売することになる。そればかりではない。本当の自然は消失し、地球上で繁茂するのはGMOだけになるということだ。そうなると、昆虫の色相も変わる。レイチェル・カーソンが警告した世の中になる。人の体内ではコリンエステラーゼやATPが作れなくなり、免疫系疾患、癌が増えていくことになる。

 2017年5月12日、主要農産物種子法(以下「種子法」)が自民・公明によって廃止された。食料確保を目的に1952年に制定され、稲、麦、大豆などの種子の開発や生産・普及を都道府県に義務づけてきた。基礎食糧として、短期間での種子の開発・普及が困難であるからだ。この制度の下で、都道府県が主体となって試験研究の体制を整え、地域に合う品種を開発し、「奨励品種」に指定、さらには原原種や原種の生産圃場の指定、種子の審査、遺伝資源の保存などを行ってきた。コシヒカリなど優良品種の開発・普及に公的機関が責任を負うことで種子の安定供給を行うことができた。これが廃止され、種子市場は100%、民間企業の手に委ねられることになった。ここでビル・ゲイツ+モンサントとつながったではないか。すでにモンサントらはゲノム登録を果たし、特許権を主張できる立場にある。ロイヤルティーが付加された値段で種子が独占販売される。農産物だけではない。バラなど観賞用植物も同じだ。

 

 本ブログでは、GEやウエスチングハウスが東芝をはじめ日本企業に原発ビジネスを売却したとき、東芝らは膨大なリスクを引き受けることになった、と慨嘆した。311が勃発する数年前のことだ。ベイズ定理でリスク分析すれば、まともな経営者であれば、あの時点で原発ビジネスに手は出さなかったはずだ。(だが、日経はこの取引を称賛した。)かつて、GEは各産業分野で市場占有率No.1の企業を買い漁り、優良企業の名を恣にしていたが、個人的にその評価には懐疑的だった。GEが原発ビジネスを手放す相手が日本企業だと知り、三菱地所によるロックフェラー・センター買収よりひどい詐欺に遭ったに違いないと確信した。CSISと経産省(柳瀬唯夫)が仲介し、東芝社内の反対派を押しのけ、原発ビジネスの将来についてバラ色の青写真を描かせたのだ。ウエスタン・デジタルに買い叩かれるほかないだろう。日本長期信用銀行をリップルウッドに売却したときと同様、多額のカネを政府系金融機関(税金)と民間金融機関(預金)から引き出させ、タダ同然、ご丁寧にリコース付きという熨斗をつけてで外資に贈与することになるだろう。ただし、虎の子のフラッシュメモリー事業なきあとの東芝はもはや、再生能力は全くない。条件付適正意見しか出せない監査法人の見立てでは、まだ、潜在的不良資産が相当あるということだ。その損失処理を行えないほど、経営環境は悪化している。東証1部から2部へ格下げなどと悠長なことを言っていられる場合ではない。債務超過とは倒産危機に瀕しているということであり、将来の収益獲得の目途もないという状況で、つなぎ融資をする金融機関もただちに不良債権を抱え込むことになる。つまり、誰がみても返済目途の立たない融資を現時点で行うという三菱、みずほなど民間銀行の経営者の能力も厳しく問われることになる。いくら安倍政権からの要請があったとしてもだ。(もちろん、公共事業=政府調達には今後、東芝製を優先的に買い付けることになるだろうが、競争入札制度を骨抜きにすることになる。)

 種子ビジネスといい、原発ビジネスといい、オスプレイ、イージス・アショアなど軍需ビジネス(韓国はTHAADにカネを支払ってはいない。軍用土地の提供だけだ。)といい、日本はただ搾取されるだけの、アメリカ様のパシリに過ぎない。北朝鮮におびえ、中国におびえ、アメリカからは恫喝され、ひたすら、カネを貢ぐほか途はない。


都民は安倍側用人内閣に引導を渡すことができるだろうか

 72日の投票日に向けて都議選立候補者と関係者たちが駅前で、「人にやさしい」、「明るく元気な」、「世界一質の高い福祉」など中身のない虚しいスローガンを連呼している。石原慎太郎も舛添要一も豊田真由子も稲田朋美も、みんな選挙で選ばれた「選良」のはずだ。一橋を出た作家、東大法学部助教授、東大法-ハーバード-厚労省官僚、弁護士と、人も羨む経歴の持ち主たち。見てくれも悪くない。

 選挙民は何を基準に投票用紙に特定の立候補者の名前を記入するのだろうか。政策も人柄もわからないのに。立派な学歴、職歴?自民党であれば安心?共産党は「赤」だから、嫌?公明党は創価学会員。小池知事の都民ファーストがいい?民進党は不明?

学歴があてにならないことは舛添要一や豊田真由子の言動が証明している。日本の学歴優等生たちは、出題者の意図どおりに模範解答を引き出す訓練を施された者たちである。どれだけ多くの想定問答集を記憶し、解法パターンに習熟するかが勝負の世界である。テレビのクイズ番組の勝者に東大をはじめとする一流大学卒の「インテリ」が多いという事実が象徴的だ。

 しかし、世のデキゴトには「模範解答」はない。とくに政治が必要とされる場面では、利害が対立し、容易に結論が出せないケースがほとんどである。たとえば、豊洲問題。汚染が明白な東京ガス工場の跡地を強引に築地市場の移転先に決定し、疑問の声を無視して建屋を完成させてしまった。作ってしまえば、いまさらやり直しは効かない。「やり得」を狙ったのだ。盛り土によって、厳格化した基準もクリアできるとアナウンスしておきながら、建屋の下は空洞だった。地下水の検査もいいかげんで、ちゃんと調べてみたら、基準値をクリアできていなかった。当時の責任者・石原慎太郎は、「そんな専門的なことはわからないし、知らない、忘れた。司司でちゃんとやるべきこと」と反論したが、その司=行政のトップが知事のはずだ。要するに、一部の自民党政治家が一方的に豊洲移転を決め、表向き問題がないようにコトを進めたが、小池百合子の登場で、その闇利権構造の綻びがあからさまになったということだろう。石原慎太郎も「新銀行東京」の巨額損失の補填につながると説得され、空洞化に賛成したのだろう。

 自民党は、読売新聞や産経新聞に小池批判記事を掲載して、「決められない」政治家というレッテルを貼ろうと必死だが、そもそも、よりによってベンゼン、六価クロムなど発癌物質が大量に残存する東京ガス跡地を築地の代替地に「決めた」責任、その拙速さによって何千億円という都民税が浪費された落とし前をどうつけるのだろうか。石原慎太郎らは、都庁を伏魔殿と罵り、都庁職員に責任転嫁して逃げ回っているが、背後で跋扈する政治家こそ黒幕のはずだ。その構図を明らかにしようとしても、意図的にザル法にした情報公開法では、ほとんど真っ黒に塗りつぶされた「のり弁」文書が山積みになるだけで都民はつんぼ桟敷に置かれたままだ。

国政でもそうだが、「丁寧に説明責任を果たしていく」という文言の下に、疑問点が明らかにされないまま「テロ等準備罪(共謀罪)法案」も可決された。30時間費やしたのだから、「ていねいに説明した」ことになるのだろうか。パレルモ条約を批准するために必要な法整備だという政府の説明もウソだった。この条約はマフィアなど国際的な経済犯罪を取り締まるための国際的取り決めであり、「テロ」など思想犯とはまったく関係ないと起草者のパッサス教授が明言している。それどころか、この法案の構成要件は曖昧で茫漠としているため、国連人権委員会の特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏やデービッド・ケイ氏が、人権蹂躙の危険性が高いと警告している。わかりやすくいえば、「消費税増税反対」と叫んだだけで逮捕監禁される可能性がある。国民の多くは「テロ対策」法案と勘違いしているが、実行行為なしに「内心」だけで逮捕される場面はこれから数多く出てくるだろう。たとえば、年金給付額の更なる削減(年金資産130兆円の大半はアメリカ国内のインフラ投資=米国債に当てられている)、健康保険料の増額、公共料金引き上げ、消費税増税などは不可避である。多くの専門家が大幅な円安時代が訪れる(ゴールドマンサックスなどが円安誘導するだろう)と予想している。無謀なリフレ(実質的に500兆円を超す国債の日銀引き受けというアベノミクス)の反動が始まるのだ。食糧自給率3割では食べていけない世帯が続出するのは目に見えている。(もちろん、インフレで日本国の債務である日本国債は実質的に削減されるが、国民の預金の実質価値は大幅に目減りする)あるいは、シリアなどへ派遣された自衛隊員の中に戦闘行為ですでに死傷者が出ているかも知れない。それがメディアを通じて国民に知らされるタイミングが近いのではないか。それでなくとも、北朝鮮からミサイルが飛来して原子力発電所が爆撃されるかも知れない。徴兵制も導入する必要があるだろう。このように考えれば、「共謀罪法」成立を急いだ理由もわかるだろう。

  人々が飢えに苦しむようになると暴動が起きる。フランス革命のときも、米騒動のときもそうだった。世界は既に飢えている。近い将来、日本もそうなる公算が高い。あるいは、自衛隊員に死傷者が出たり、北朝鮮のミサイル着弾で国民はパニックに陥るかも知れない。それが騒擾状態につながるかも知れない。

 国家非常事態となれば、警察のほか、自衛隊も出動し、厳戒態勢に入る。このとき、日米安保条約で、日本の治安部隊は米軍の指揮下に入る。治安維持名目で、誰でもいつでも逮捕できるようになったのだ。共謀罪法がその根拠となる。スノーデン氏が警告しているように、LINE、フェィスブック、ツイッターなどのSNS情報、電話も盗聴されている。ブログで政権への不平不満を述べ、コメント欄で読者と意見交換をしただけで、「共謀罪」が成立する可能性がある。

 これまで、日本国民の大半は、自民党政権を支持してきた。実際、それが正解だった。国民生活も豊かになり、70年間平和が訪れた。しかし、民主党政権以降、明らかに潮目が変わった。安倍政権はなりふり構わず、アメリカの要求に従うばかりとなった。TPPしかり、集団的自衛権行使容認しかり、特定秘密保護法しかり、共謀罪法しかり、そして、憲法改正しかり。このほかにも会社法、民法など国民生活の根幹にかかわる法律も「改正」されている。すべてが、民主主義の名の下に、中身が十分に国民に知らされることなく、法律として成立し、国民を拘束することにつながっている。要するに、もはや、他人事ではないのだが、国民は気が付いていない。なぜ、共働きでなければ暮らしていけないのか、なぜ、少子化は改善されないのか、なぜ、先進国の中で日本だけがガン死者数が増えているのか、なぜ、労基法の趣旨が改悪され実質長時間残業が許容されているのか、なぜ、ブラック企業への取締りが甘いのか、なぜ、世の中が暴力的になってきたのか、なぜ、グローバリゼーションがいいのか(単なるアメリカ化に過ぎないのに)、なぜ、自由貿易がいいのか(アダムスミス・リカード時代と異なり、人・モノ・カネが国境を越えて動くため、国別の比較優位が有効に働かなくなっている結果、すべての国々で貧富の格差が広がり、生活苦が中流家計を直撃している。だからこそ、トランプが保護主義を謳い、イギリスもEUを離脱しようとしている。TPPは自由貿易の所産でもなんでもない、中国や韓国を除外したブロック経済化を促進するだけである。)

 今、安倍政権に対して逆風が吹き始めている。森友学園、加計学園、元TBS記者強姦もみ消し疑惑、前川喜平元事務次官・文科省造反、豊田真由子・人格破綻、稲田朋美・防衛大臣・素人弁護士、下村博文・加計学園政治献金など、次から次へと不祥事が露見してきている。安倍政権側がどのようなレッド・ヘリング(たとえば、眞子様婚約報道)を繰り出そうと、安倍晋三の賞味期限が切れかかっている。日本の戦後を仕切ってきた真の権力機構が動き出したのだ。安倍政権は共謀罪法成立まででポイ捨てされるということだ。稲田朋美はCSISの強い押しがあって、今日まで生き延びたが、法律感覚に疎い、無能なペーパー弁護士であることがバレてしまった。いずれにしろ、腐敗しきった安倍側用人内閣は、日本語を破壊し、法治国家としての法的安定性を完全に破壊してしまった。マッカーサーは、かつて「日本人の精神年齢は12歳」と述べたが、現在はさらに幼児化しているのかも知れない。「近代の超克」や「主体性論争」を経た日本人が成熟するどころか、精神的に退化した(まるでアヘン戦争当時の中国と同じ)とは、マッカーサーの傀儡だった吉田茂も驚いていることだろう。


市川海老蔵さんへ

 市川海老蔵さんがテレビで奥様が亡くなられたことを報告されていた。昨夜、ご自宅で家族に見守られながら天国に旅立たれたと。享年34歳。舞台が終わり稽古に入ったところ、知らせがあり、最期の看取りができたと。麻央さんが海老蔵さんの目を見て「愛してる」と呟いた刹那、息を引き取られたと。「自分のすべてを愛してくれた人だった、常に相手のことを大切に思う人だった」と。

20166月、乳がんを患われていると海老蔵さんが記者会見で明らかにした。がん発覚から1年8か月ほど経過してのことだった。麻央さんは、91日にブログを開設し、2017620日まで500回以上更新されたという。

 

 がんの最期は、カヘキシア(悪液質)と呼ばれる、寝たきり状態になる。食事もとれず、トイレにも行けない。鎮痛剤のモルヒネや鎮静剤のミタゾラムなどをCV(中心静脈カテーテル)ポートなどを経由して体内に注入する。水分や栄養剤は生存を維持する量よりも少なく注入する。アルブミンが少なくなってくるため、血管の浸透圧が保てず、組織から漏出していくだけとなるからだ。そうして浮腫となり、腹水や胸水となって、呼吸を圧迫する。やがて抜き取ってもムダだと知る。肉体は非可逆的に自壊して多臓器不全状態に陥る。

 

 世の中には、本当に心優しい人がいる。裏表がなく、謙虚で誠実で、いつも相手の気持ちを推し量り、傷つけないように配慮しながら、気遣う。そこには打算は一切ない。カヘキシアに苦しむ中でも相手を気遣う麻央さんを「すごい人、人間ではない」と涙する海老蔵さん。そうだと思う。天使なのだから。海老蔵さんは初対面で麻央さんの「愛」を感じとった。麻央さんの愛は、海老蔵さんを救うため、海老蔵さんの愛は素直にその愛を受け容れるため。運命の出会いのために麻央さんは天国から舞い降り、天国に戻っていかれた。私がいなくともこの人は大丈夫と確信したからだろうか。そう思えるほど記者会見の海老蔵さんは凛々しく立派だった。これから虚無感に襲われるときも訪れるかも知れません。そんなときは天国の麻央さんに話しかけてください。きっといいアドバイスをしてくれると思います。

 

平原綾香「おひさま〜大切なあなたへ」

https://www.youtube.com/watch?v=huipH5EzxXo

 

なぜ、いい人は早死にするのだろうか?その人がいるだけで周囲が癒され、愛に包まれる。そんな人が生きていけないほどこの世の中は穢れてしまっているのだろうか?


Don't Cry Out Loud 歌詞の意味

夜、駅前のドトールに立ち寄ってコーヒーを飲んだ。懐かしいメロディーが流れてきた。

Don't cry out loud

Just keep it inside

ネットで検索した。Melissa ManchesterDon't Cry Out Loud

https://www.youtube.com/watch?v=R4Zz_UNFLmw

40年前の曲。

Peter Allen作曲、Carole Bayer Sager作詞。Allen14歳のとき、父親が自殺した。歌詞の中のBabyは妹のことだという。幸せな一家が一転哀しみに包まれた。母親は子供たちに感情を表に出さないようにしなさいと躾けた。人前で泣くと「お父さんが自殺した家の子だから」と陰口され、一層惨めになるから。

お父さんを失い、周囲から好奇の目に晒され、家族の悲しみは尚更深まったことだろう。人目も憚らず大声で泣いていた小さな妹を「お父さんの代わりに僕が守ってあげるから泣かないで」と諭した。悲しくて泣きたい気持ちは痛いほどわかる。でも、それを隠し、ピエロのように陽気に振る舞うんだよ。昔、家族全員で、わくわくドキドキ、夢中になって観たサーカス。でも、もうそういう時は二度と来ないんだ。"you almost had it all”「almost」が辛い.

悲しみを乗り越えて、頑張るんだ。お兄ちゃんも頑張るから、そう自分に言い聞かせる14歳のAllen少年の心の叫びが確かにこちらにも伝わってくる。サーカスがメタファーとして使われている。きっと、サリンジャーの小説に出てくるフィービーのように健気でかわいい妹だったのだろう。

帰宅して独り、中島みゆきの「泣かないでアマテラス」を聴いた。

 

Baby cried the day the circus came to town

サーカスがやってきた日 君は泣いていた

'cause she didn't want parades just passin' by her

パレードが通り過ぎて行ったあとの寂しさ・悲しさが辛いからと

So she painted on a smile and took up with some clown

だから君は無理やり笑顔をつくり、おどけたりしたんだ

While she danced without a net upon the wire

それは綱渡りをしながら踊るようなもの 落ちてもネットなんかない

I know a lot about 'er 'cause, you see

僕にはよくわかる

Baby is an awful lot like me

だって 僕も同じことをしているから

 

Don't cry out loud

人前で泣いたりしちゃダメ

Just keep it inside, learn how to hide your feelings

我慢して悲しい気持ちは表に出さないようにするんだ

Fly high and proud

背筋を伸ばし上を向いて生きるんだ

And if you should fall, remember you almost had it all

失敗したらどうしようって?

元気いっぱいだった頃の自分を思い出せばいいじゃないか

 

Baby saw that when they pulled that big top down

あの人たちが大好きな父を死に追いやったとき

They left behind her dreams among the litter

君の将来の夢はごみ屑の中へ打ち捨てられちゃったってわかったんだね

The different kind of love she thought she'd found

これまでの無邪気な愛とは異なる愛に気が付いたみたいだね

There was nothin' left but sawdust and some glitter

世間には、おがくずとピカピカ光るガラスの破片しかないんだよ

But baby can't be broken 'cause you see

でも 君はちゃんと生きていける だって わかるだろ

She had the finest teacher-that was me-I told 'er

ここに僕がいる−君を守ってあげられる最高の先生がいるから

僕の教えはね・・・

 

Don't cry out loud

Just keep it inside and learn how to hide your feelings

Fly high and proud

And if you should fall, remember you almost had it all

 

Don't cry out loud

Just keep it inside and learn how to hide your feelings

Fly high and proud

And if you should fall, remember you almost made it


クリスマスに涙色のバラの花束を!

 久しぶりに宇多田ヒカルを見た。1224日へ日付が変わり、恒例(高齢)の小田和正、「クリスマスの約束」が始まった。一年に一度の番組。大切な人と一緒に見ようと、TBSにチャンネルを合わせた。今日も、素敵な笑顔だね。「きみ」の喜ぶ顔が目に浮かぶ。

 夜空ノムコウが流れてきた。小田和正のピアノの弾き語りが途切れようとする命を現世へ引き戻そうともがき抗っている。齢70の生命力が掠れる声を必死でつなぎとめる。SMAPも今年で終焉、因果かと感慨にふける間もなく、宇多田ヒカルが現れた。あっけらかんと、小田とAutomaticをデュエットした。懐かしい。18年前、初めて聞いたとき異次元の才能に驚愕した。興奮する僕を見て、「きみ」は微笑んでいた。2001年暮れ、この番組の初回、この曲にトライした小田が悪戦苦闘した模様がスクリーンに映し出された。産みの親の彼女しか、この子に魂を吹き込むことはできない。「きみ」もそう思うだろ?

宇多田ヒカルはこの一曲だけだろうか?誰もが気になったとき、「花束を君に」がコールされた。

https://www.youtube.com/watch?v=KFp0f-gCASI

 

 愛しい人 愛しい人

 どんな言葉を並べても

 真実にはならないから

 今日は贈ろう 涙色の花束を君に

 

 いつだったか、「きみ」の誕生日に赤いバラを買って帰った。結婚して20年、初めてのことだった。「きみ」は大喜びして「ありがとう」を連発した。駅前の花屋さんは閉まっていた。でも中から光が漏れていた。通り過ぎようとして、ふと「きみ」のことを想った。無理を言って、中に入れてもらい、赤いバラ数本の花束をつくってもらった。

 

 番組の最後の方で、小田+常連組が、Joni Mitchellの「Both Sides, Now」を歌った。1967年の曲。ジョニ・ミッチェルをボブ・ディランに喩えた小田は、「大人は信じられない」とつっぱった若かりし頃のディランなら、ノーベル文学賞の受賞は辞退しただろうとつぶやいた。ディランも75歳、ものごとの両面(both sides)を考え、拒絶せず、授賞式には参加しないと決断したのだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=bcrEqIpi6sg

 

 Rows and floes of angel hair

 And ice cream castles in the air

 And feather canyons everywhere

 I've looked at clouds that way

(お空に浮かんでる雲を見て 美しく流れる天使の髪の毛のよう、いや、アイスクリームのお城みたいにふわふわ、そうでじゃなく羽毛がたくさん、そのときどきで いろいろ 思ったの あのとき わたしはまだ無邪気な子供だった)

 But now they only block the sun

 They rain and snow on everyone

 So many things I would have done

 But clouds got in my way

(でも 雲は太陽を遮るだけ 雨も降らすし雪も降らす、ここかしこ あのとき晴れてくれればうまくいったのに そんなことがどれだけあったでしょう 雲は邪魔もの 今ではそう思うようになってしまいました)

 I've looked at clouds from both sides now

 From up and down, and still somehow

 It's cloud illusions I recall

 I really don't know clouds at all

(でも 思えば どちらも同じ雲なんだよね 良くも悪くも そのときの都合で どちらにでも そう思うと眩暈がする 雲ってなんなの わからない ほんとうに)

(愛も人生も 恋愛も失恋も 成功も失敗も 経験してみて いいのか悪いのか 何もかもが わからなくなったの・・・同じことが良かったり悪かったり どちらが本当?)

 

 宇多田ヒカルは大切な人を失った。でも大切な人も授かった。どれだけの涙を流したことだろう。でも、悲しみの涙は今、うれし涙に替わった。だから、あの人に花束を贈るのだ。涙色の花束を。ありがとうの言葉を添えて。

「きみ」にも贈りたい。僕の大切な大切な人だった「君」に。「ありがとう。僕ももうすぐそちらに行くよ」


法制化を焦る安倍カジノ法案の背後にトランプ、ネタニヤフ、カジノ王アデルソン

 田中宇氏はトランプの背後にイスラエル・コネクションがあると指摘した。私は先のブログで、日本がそのイスラエル・コネクションの餌食にされることになると予想した。しかし、それは未来形ではなく、現在進行形だった。以下がその証左だ。

 外務省のHP http://www.mofa.go.jp/mofaj/me_a/me1/il/page4_000469.html

によると、イスラエルのビンヤミン・ネタニヤフ首相(H.E. Mr. Benjamin NETANYAHU, Prime Minister of the State of Israel)及び同令夫人は公式実務訪問賓客として来日し511日から15日まで日本に滞在した。

 このHPに掲げられた会談概要には、「カジノ」の「カ」の文字もない。ところが、Global Research, February 08, 2015によれば、イスラエルの日刊紙Haaretz が“Netanyahu Pressured Japanese Regulators to Approve Adelson Casino Bid? ”という記事をネットに掲載し後、即座に削除したこと伝えている。

http://www.globalresearch.ca/haaretz-removes-report-that-netanyahu-pressured-japanese-regulators-to-approve-adelson-casino-bid/5430135

 この記事によると、この日本訪問時に、ネタニヤフ首相は日本の役人にシェルダン・アデルソンに対して早くカジノ・ライセンスを許可してくれるように依頼した、とある。(during Bibi Netanyahu’s state visit to Japan last spring, he approached a senior Japanese official, asking that he help expedite Sheldon Adelson’s application for a Japanese casino license. )ネタニヤフ首相の依頼は、タイミング的にぴったりだった。なぜかといえば、アデルソンが所有する、ラスベガスのサンズ・グループが3か月前に日本当局にカジノ合法化を申請したばかりだったからだ、という。(Bibi’s approach was perfectly timed, following by only three months the Sands’ application to open Japan to legalized gambling (which is currently illegal).

 さて、シェルダン・アデルソンとはいかなる人物であろうか。Wikiによれば、アメリカのカジノ王で83歳。ユダヤ系アメリカ人。Las Vegas Sands Corporationのオウナー。傘下に the Marina Bay Sands in SingaporeVenetian Macao Limitedを持ち、The Venetian Resort Hotel Casino and the Sands Expo and Convention Center.などを運営している。(過去において、COMDEXをソフトバンクに売却している。)メディアにも進出し、イスラエルでは、Israel Hayom紙を、ラスベガスではthe Las Vegas Review-Journal紙を発行している。20168月現在の所有資産はUS$32.2billion35千億円)。

 今回のアメリカ大統領選において、共和党にも民主党にも最大の寄付者がアデルソン氏。とくに、ドナルド・トランプに対する最大の資金協力者がアデルソン氏だった。(He was the largest donor to Donald Trump's 2016 presidential campaign.

 以上の経緯を踏まえ、安倍自民党がなぜ、強行にカジノ法案を通そうとするのか、理由が明白になった。先月18日、組閣に忙しいトランプが時間を割いて安倍首相を呼んだとき、カジノを早く合法化せよと命じたのだ。ポチ安倍は「ワン」といって、とにかく、「カジノ、カジノ」と役人にせっつき、審議時間もそこそこに衆院を通し、参院も時間の問題となっている。ギャンブル依存症云々している暇などないのだ。トランプ−ネタニヤフ−アデルソン様たちがお待ちかねだからだ。Integrated Resort(集合リゾート)こそ、アデルソン様が推進しているビジネス・コンセプトに他ならない。ギャンブルの次は公認売春窟とマリファナ。横浜はマフィアの巣窟となるだろう。暴力、殺人、性病が蔓延する。

 ポチ安倍の尻拭いをさせられるのは一般市民。韓国のパク大統領の比ではない。これでも国民は、安倍自民党を支持するのでしょうか?

<参考>

*カジノ法案と“日本、イスラエル、米国の三国同盟”20161207

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/055a79fa80fc2db40b0a9af3cf3be1a9

*日本のカジノ解禁で儲かるアメリカとイスラエルの戦争屋

http://www.huffingtonpost.jp/saul-takahashi/america-palestine_b_13359618.html

*あまりに恥ずべき安倍・ネタニヤフ会談―米国も呆れる「アパルトヘイト国家」イスラエルとの関係強化の愚:2014/5/13()

http://bylines.news.yahoo.co.jp/shivarei/20140513-00035268/


太平洋戦争開戦から75年、安倍首相は日米の英霊たちを前に何を述べようとするのか

 真珠湾開戦から75年、安倍首相は1226日ハワイに飛び、クリスマス休暇中のオバマ大統領に会うという。他国の首脳が現職大統領に敬意を表し、あえて会談申込みを控えていたにもかかわらず、トランプ次期大統領の私邸にまで押しかけ謁見を賜るというフライングを冒した。その罪滅ぼしと今年527日、現職の米大統領としては初めて広島の原爆資料館を訪れたオバマ氏の行為に対する返礼の意味もあるといわれている。

 安倍首相はトランプに面接してもらったあと、ペルーに飛び、首都リマで21か国が集うAPECAsia-Pacific Economic Cooperation)首脳会議に出席した後、アルゼンチンを訪問し、ブエノスアイレスでTPPが自由貿易推進のために必須だと説いた。その中で、アメリカのTPP参加が不可欠とトランプに秋波を送った。ところが、それに呼応するようにYouTubeにアップされたビデオ・メッセージでトランプはTPPをアメリカにとってpotential disaster(災難に等しい)と明言し、撤退することを明らかにした。その代わり二国間FTAを結ぶと言う。

https://www.youtube.com/watch?v=m7-9-_zQPoE

 今、日本では自民党が衆議院を通過させ、参議院でTPPを批准しようとしている。もともと、TPPとは、Brunei, Chile, Singapore and New Zealand4カ国だけの小さな国際通商協定に過ぎなかった。200911月、突如、オバマ大統領が参加を表明し、参加国を12ヵ国に拡大させることになった。日本は参加に躊躇した。なぜなら、アメリカが主導するTPPはオリジナルの4カ国間通商協定とは似ても似つかないアメリカ化政策(アメリカナイゼーション)を加盟国に強いるものだったからだ。アメリカはカーテンの裏で日本の参加を強く求めた。いつの間にか、安保条約も絡み、集団的自衛権行使容認と一体と解釈されるようになった。当時、民主党政権時代、反対する多くの民主党議員を無視し、野田佳彦、前原誠司、長島昭久らが参加を決めた。自民党も安倍晋三ほか多くが「断固反対」と叫んだ。稲田朋美(現防衛大臣)に至っては、自民党の先頭に立ってTPP反対の署名を集め、集会では『国益を守るためには断固反対だ』と演説し、「日本を米国の価値観で染めていいのか、・・・TPPの終着駅は日本文明の墓場」とまで述べた。マスコミは、TPPで困るのは農家だけで、生産性が低い日本の農業がつぶれるのは仕方がない、むしろ消費者にとっては関税が撤廃される食品が安くなるのは歓迎ではないか、と推進キャンペーンを張った。TPPバスに乗り遅れると「鎖国」状態の日本経済にとって死活問題と尻を叩いた。結局、アメリカ側からの要請で、日本からTPP参加を願い出るという体裁がとられたが、謀略といわずしてなんなのか。安倍首相が繰り返すように、TPPは、二大経済大国の日米いずれが欠けても意味がない。アメリカの目的は日本を引き摺りこむことにあった。背後でCSIS−日本会議−電通が暗躍した。民主党が党内プロジェクト・チームを審議未了のまま、前原誠司が一任を求め、参加を決めたとき、キシンジャーが民主党本部に詰めていた。安倍政権にとって代わり、TPPの詳細が決められていくにつれ、情報が出なくなった。「自由貿易」という抽象的なテーゼだけが強調されたが、おぼろげながら、農業はほんの一部に過ぎず、医療、金融・保険、公共事業と多岐にわたることがわかってきた。

その内容については、122日、参議院・TPP特別委員会における参考人意見陳述で簡潔に説明されている。

*西尾正道・北海道がんセンター名誉院長:

「TPP恥ずかしくないのか!党としてウソをつく」西尾正道 参考人12/2参院・TPP特別委員会

https://www.youtube.com/watch?v=wNPaytFjTUI

*醍醐聰・東京大学名誉教授:「TPPバスからの下車を!」

https://www.youtube.com/watch?v=tf7DV5eTtP0

125日、参議院TPP特別委員会における自由党共同代表、山本太郎議員の「TPPはゲームセット、完全に詰んだ!」

https://www.youtube.com/watch?v=LyAsdnv3pxE

 TPPは、最終的に日本の庶民生活を破壊する。日本企業は米企業にとって代わられ、さながら敗戦後の闇市時代に戻るだろう。当時、日本経済は朝鮮戦争特需で潤い、池田内閣の所得倍増計画を現実のものとし、高度経済成長路線に乗ることができた。しかし、輸出主導型経済は1950年代から日米貿易摩擦を引き起こした。低開発国は安い労賃を利用して繊維産業からテイクオフする。日本もそうだった。まず、日米繊維摩擦、鉄鋼、カラーテレビ、自動車、半導体へとメカトロニクス産業へと移っていった。これに対して、貿易赤字に悩むアメリカは金兌換を廃止し(ニクソンショック1971年)、変動相場制(プラザ合意1985年、1ドル240円の時代から一挙に120円へと半額に切り上げられた→要するに、アメリカに輸出された日本製品の現地価格は2倍に値上げられた。)に移行させた。日本側も自主的に輸出を抑制しようと、中曽根内閣で前川レポートを作らせ、内需主導型掲載への移行を企図した。ところが、日本はバブル経済に突入し、過剰流動性からアメリカ資産を買い漁った。世界最大の投資国となった。1988年、アメリカは牛肉・オレンジ自由化を要求し、関税が引き下げられ、安価な牛肉・オレンジが日本国内に流入した。吉野家など牛丼屋が乱立するようになった。と同時に、包括通商法(スーパー301条)を制定し、日本の保護主義的な関税撤廃を求め、報復的な関税引き上げを行い、日本製品の輸入を抑制しようとした。1989年、とうとうアメリカは個々の品目、制度を問題にする従来のやり方から、「日米構造協議」(Structural Impediments Initiative SII)に切り替えた。日米貿易不均衡の是正を目的として日本国内の慣習を包括的に改廃させようとした。1993年に「日米包括経済協議」(US-Japan Framework for a New Economic Partnership)、1994年から「年次改革要望書」(The U.S.-Japan Regulatory Reform and Competition Policy Initiative)、2011年、「日米経済調和対話」(United States-Japan Economic Harmonization Initiative)へと日米当局の協議の名称は変わっていった。ここで、協議の名称について、英語と日本語の間に極めて大きなギャップがあることに気が付く。英語で「Initiative」とは「要望」・「対話」を意味しない。「何が何でもやれ」という命令に近い。事実、具体的にいつまでに何をやれと課題を提示され、日本側の有無を言わせず、法改正を迫るのである。2000年、大店法が改正されたのは、トイザラスの日本進出を可能にさせるためだった。製造業への派遣社員が常態化したのも、非正規雇用が蔓延したのも、「規制緩和」=人材流動化というキャッチコピーで労基法を骨抜きにしたのも、すべてアメリカからの圧力である。(竹中平蔵らをエージェントとして使っている)QCサークルなど日本の製造現場から生まれた創意工夫の伝統は潰えてしまった。他方で、ロックフェラーセンターを買収した三菱地所のように、米投資銀行は日本企業にM&Aをけしかけ、詐欺に近い形で日本からカネを強奪してきた。欧米では見向きもされないドラッカーを日本に紹介し、コアコンピタンス経営で次世代へのパイプラインの芽を悉く摘んでしまったのも、工場の海外移転を加速させたのも、すべて同じグループ(CSIS→官僚・大学教授→電通→マスコミ)である。安倍自民党が国会で強行採決を繰り返すのも、背後にこうしたアメリカからの圧力があるためである。イニシアティヴを履行しないと地位が危うくなる。こうして、日本の競争力の源泉は跡形もなく消え去ってしまったというわけである。

 TPPに関して、トランプは撤退を言明している。それにもかかわらず、安倍首相が批准を急ぐわけは、交渉相手のCSISUSTRから指示を受けているからだ。トランプ次期大統領の下で、二国間FTATTPの合意内容から出発することができる。これまでも、日本側は、国内需要以上のオレンジ、小麦、米、大豆、ワクチンなどを輸入させられている。ミニマム・アクセスという合意事項だ。オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどアングロ・サクソン諸国を代表して、アメリカは牛肉や大豆の消費量は人口10万人当たりOOトンだから、日本の消費量もかくあるべし、という論理で日本に年度単位で最低輸入量を割り当てる。日本国政府に無理やり農産物を一定量購入させるのである。実需を超える購入分は廃棄するほかない。その分、税金→国債という日本の借金が積み増される。子宮頸がんワクチンやタミフル、リレンザも同様である。現在のWHO事務局長マーガレット・チャンは香港出身だが、パンデミック・アラートを頻繁にイシュウしている。そのたびに、厚労省は大量のワクチンを備蓄させられている。背後に、CSISUSTR−メルクなどメガ・ファーマからの圧力がある。

 トランプの日本に対する認識は、1980年後半のアメリカ政府の立場と同工異曲である。すなわち、日本市場により多くの外国製品を流入させるほか、アメリカの国益に反する日本国内の慣習を強制的に変えさせる。(Japanese resistance to repeated United States efforts to get Japan to open its market more to foreign goods and to change other economic practices seen as adverse to United States economic interests. )日本国内に存在する2つの反対勢力−海外と競争する力のない(衰退)産業や新興産業の保護をさせないようにする。(two types—those representing inefficient or "declining" producers, manufacturers, and distributors, who could not compete if faced with full foreign competition; and those up-and-coming industries that the Japanese government wished to protect from foreign competition until they could compete effectively on world markets.)日本の健康保険制度について、安倍首相はTPPによって崩壊させないと主張しているが、TPPで事実上、形骸化する。小野薬品/ブリストル・マイヤーズ・スクイブのオプジーボの競合薬である、メルクのがんチェックポイント免疫薬のキイトルーダが悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬として年内に承認される見通しである。オプジーボは見込み年間治療費が35百万円から半額に切り下げられたが、2千万円弱かかる。キトルーダはオプジーボ薬価を参考に決定される。今後、ファイザー、アストラゼネカなど欧米系製薬会社は次から次に高額医薬品の承認を求めてくると見込まれている。オバマ大統領が推進しているプレシジョン医療(Precision Medicine)も厚労省に導入させている。各人のゲノムに応じたテイラーメイド医療を指している。たとえば、がんについては、現在の臓器別治療は無意味で、個々の患者の変異遺伝子(表現型)に応じた治療を行う。服でいえば、オートクチュール、患者の個性に合わせ治療薬を決める。ゆえに、高額となる。プレタポルテの標準治療の有効性は否定されるだろうが、貧乏人にはオートクチュールは高すぎて手が届かない。日本の医療制度はカネ持ちだけが恩恵を受けられるアメリカ型に移行することになる。

 20139月、NY証券取引所で“Japan is Back.・・・Buy my Abenomics”と誇らしげに手を挙げ、聴衆に応えた。そのアベノミクスは消費税増税を延期しなければならないほど、効果のないものだった。さらには、ドイツのメルケル首相に財政支出を増やせと忠告し、顰蹙を買った。日本国民には想像もできないだろうが、異次元の金融緩和のつけがこれから日本国民を襲う。大幅な円安時代の到来である。OPECは原油の減産を決めた。原発廃炉費用もオンされる。エネルギー価格は高騰しよう。他方、年金給付額は引き下げられる。現在の年金受給者4人に1人の月額給付額は5万円程度しかない。これでは今でも暮らしていけない。今後、窮鼠猫を噛む−窃盗・強盗・殺人、自殺が横行することになるだろう。

 トランプは、当選後も“The forgotten men and women of our country will be forgotten no longer.” “Be Voice of ‘Forgotten Americans”=忘れ去られたアメリカ国民のための政策を実行すると明言している。グローバリゼーションの敗者はいわれなき敗者であるという。そのターゲットは、日本である。上に述べたように、日本は自国市場を不当に守る一方でアメリカに怒涛の輸出攻勢をかけ、アメリカ国民から職を奪っているというのである。しかし、アメリカでも貧富の格差が増大している。大企業がNAFTAなどを利用してメキシコに工場を移転し、多額の役員報酬を受け取っている。とくに大企業の大株主など上位1%の超富裕層は資産を積み増している。だとすれば、所得の再配分こそ喫緊の課題であるはずだが、トランプを支援しているユダヤ人富裕層は巧みに矛先を日本に振り向けている。しかも、トランプが救済しようとしているアメリカ国民は白人たちである。彼らにとって、深層心理にリメンバー・パールハーバーが刻み込まれている。日本人は狡賢く好戦的な民族なのである。戦後70年、マッカーサーが制定した平和憲法のおかげで戦争を封じ込んできたが、安倍政権は自衛隊(SDF)を正式の軍隊に格上げしようとしている。実は、この動きもアメリカから要請されてのことだが、トランプは巧みに世論を反対方向に誘導するだろう。

 昨年814日、安倍首相の戦後70年談話について、NYタイムズは歴史修正主義と論評した。西欧列強の植民地化に対抗するためやむを得えず「力」に訴えてしまった、と述べたからだ。しかも、戦後生まれが8割を超え、そろそろ謝罪外交は止めようとも示唆した。しかし、太平洋戦争だけで2千万人以上の犠牲者を出した。アメリカも周辺国もその惨劇を忘れてはいない。加害者側が忘れようとしても、従軍慰安婦問題にしても、A級戦犯靖国合祀問題にしても被害国側は忘れない。アメリカもパールハーバーの悲劇は金輪際忘れない。安倍首相の人間性が通り一遍の謝罪外交を皮相的なものにしてしまっている。一日本国民として、安倍晋三という人間を日本国の代表者として、国際舞台に立たせ続けていることは慙愧に耐えない。

 


漱石没後100年、予言どおりに亡びゆく「日本」

 ETV特集「漱石が見つめた近代〜没後100年、姜尚中がゆく」という番組(2016123日土曜日、午後11:00〜午前0:30)を観た。129日は、夏目漱石(186729日〜1916129日)の没後100年目に当たる。 漱石に私淑しているという政治学者、姜尚中が留学先のロンドン、旅順、大連、ハルビン、ソウルと漱石が辿った足跡を巡り、当時の時代の空気を想像しながら、各国の漱石研究家と東アジアと西欧列強という文明の相克に懊悩する漱石の今日的意義を探った。

漱石は18937月東京帝国大学英文科を卒業後、愛媛県松山中学校、熊本県の五高の先生を経て、19009月、ロンドン留学のため横浜港を後にする。ロンドンではコックニー訛りに悩まされると同時に、そもそも漢籍と英文学を同じ土俵で思索の対象とすることはできないと自室に閉じこもり、徹底的に文学の本質を追求した。

 

「余は少時好んで漢籍を学びたり。之を学ぶ事短きにも関らず、文学は斯くの如き者なりとの定義を漠然と冥々裏に左国史漢より得たり。・・・斯の如きものならば生涯を挙げて之を学ぶも、あながちに悔ゆることなかるべしと。・・・漢学に所謂文学と英語に所謂文学とは到底同定義の下に一括し得べからざる異種類のものたらざる可からず。・・・余はこゝに於て根本的に文学とは如何なるものぞと云へる問題を解釈せんと決心したり。・・・余は下宿に立て籠りたり。・・・此一念を起してより六七ケ月の間は余が生涯のうちに於て尤も鋭意に尤も誠実に研究を持続せる時期なり。」(『文学論』序)

 

「漱石発狂」という噂も流され、急遽帰国を命じられた。1902125日にロンドンを発ち、帰国の途に就いた。

 時代背景として、漱石のロンドン留学を挟み、日清戦争(1894年〜1895年)と日露戦争(1904年〜1905年)が起きている。いずれも日本が勝利した。

 番組では、日露戦争後に発表された「三四郎」(1908年)から、一場面を引用した。主人公の三四郎が故郷の熊本から大学入学のため、上京する途中でのできごとである。

 

「・・・窓から見ると、西洋人が四、五人列車の前を行ったり来たりしている。そのうちの一組は夫婦とみえて、暑いのに手を組み合わせている。女は上下ともまっ白な着物で、たいへん美しい。三四郎は生まれてから今日に至るまで西洋人というものを五、六人しか見たことがない。そのうちの二人は熊本の高等学校の教師で、その二人のうちの一人は運悪くせむしであった。女では宣教師を一人知っている。ずいぶんとんがった顔で、鱚または鰤に類していた。だから、こういう派手なきれいな西洋人は珍しいばかりではない。すこぶる上等に見える。三四郎は一生懸命にみとれていた。これではいばるのももっともだと思った。自分が西洋へ行って、こんな人のなかにはいったらさだめし肩身の狭いことだろうとまで考えた。窓の前を通る時二人の話を熱心に聞いてみたがちっともわからない。熊本の教師とはまるで発音が違うようだった。

 ところへ例の男が首を後から出して、

『まだ出そうもないのですかね』と言いながら、今行き過ぎた西洋の夫婦をちょいと見て、

『ああ美しい』と小声に言って、すぐに生欠伸をした。三四郎は自分がいかにもいなか者らしいのに気がついて、さっそく首を引き込めて、着座した。男もつづいて席に返った。そうして、

『どうも西洋人は美しいですね』と言った。

 三四郎はべつだんの答も出ないのでただはあと受けて笑っていた。すると髭の男は、

『お互いは哀れだなあ』と言い出した。『こんな顔をして、こんなに弱っていては、いくら日露戦争に勝って、一等国になってもだめですね。もっとも建物を見ても、庭園を見ても、いずれも顔相応のところだが、――あなたは東京がはじめてなら、まだ富士山を見たことがないでしょう。今に見えるから御覧なさい。あれが日本一の名物だ。あれよりほかに自慢するものは何もない。ところがその富士山は天然自然に昔からあったものなんだからしかたがない。我々がこしらえたものじゃない』と言ってまたにやにや笑っている。三四郎は日露戦争以後こんな人間に出会うとは思いもよらなかった。どうも日本人じゃないような気がする。

『しかしこれからは日本もだんだん発展するでしょう』と弁護した。すると、かの男は、すましたもので、

『滅びるね』と言った。・・・」

 

 ここに、二人の漱石がいる。一人は西欧列強の一員である強国ロシアに勝った日本を誇らしく思う愛国者「三四郎」。もう一人は、西欧美にあこがれ、模倣する日本の行く末を案じる「広田先生」。東アジア文明=漢籍と西欧列強=英文学は拠って立つところが根本的に異なる。漱石がロンドンで見たものは、「ただ己のみを考うるあまたの人間に万金を与え候とも、ただ財産の不平均より国歩の艱難を生ずる虞あるのみと存じ候。欧州今日文明の失敗は明らかに貧富の懸隔はなはだしきに基因いたし候」という資本主義の矛盾だった。西欧文明の顰に倣うだけでは、こうした矛盾に突き当たり、(日本は国として)「亡びる」運命にあると100年前に見抜いている。大東亜戦争の先までお見通しだった。けだし、慧眼といわずしてなんというべきか。

 19091026日、初代韓国統監の伊藤博文がハルビンで朝鮮民族主義活動家、安重根に暗殺された。漱石は1か月前に、南満州鉄道総裁、中村是公の計らいで満州と朝鮮を旅行した際、ハルビンを訪れている。日清戦争後、日本が推す大院君派に対抗する、閔妃(李氏朝鮮第26代王、高宗の妃)は親ロシア政策を推進したため、189510月、日本軍に殺された。(乙未事変)漱石は閔妃が埋葬された洪陵も訪れている。安重根は、1910326日、午前9時、伊藤の月命日と絶命した時刻に合わせて、死刑執行された。牢獄で自伝、「獄中記(安応七歴史)」と「東洋平和論」(序文のみ)を書き記した。東洋平和論では、日本、中国、韓国という東アジア三国が手を結び、西欧列強に比肩する力を持ちえないか、という理想を掲げている。

 漱石は、日露戦争の激戦地、203高地も訪れ、塹壕跡を仔細に検分している。乃木希典指揮の下、6万もの戦死者を出した。その多くが味方の砲弾に斃れたという。大砲の跡が今も残されている。

 漱石は、日本の富国強兵政策・近代化は外在的であるという。外在的=物真似である以上、西欧文明の奴隷に過ぎない。東アジアで培ってきた文化から内在的に進化のモーメンタムが起こせないものか―甲の波が乙波を呼び、さらに丙の波とつながっていく。文学作品の中に、その哲学をembedしようとしたのではないか。

 漱石が生きていた時代、アジアは欧米列強の植民地となっていた。中国は租借地に分割され、白人が主人であり、中国人たちは召使か奴隷でしかなかった。しかも、白人たちは、下等民族の中国人たちに高値でアヘンを売り、街中はアヘン中毒者で一杯だった。白人たちの居留区は隔離され、安全が確保されていた。米西戦争に勝利したアメリカはフィリピンを我が物にし、ハワイも力でもぎとった。

 当時の日本の指導者は西欧列強がひたひたと足元に迫りくる恐怖に居ても立ってもいられなくなった。このままいくと日本も植民地とされる。北海道はロシア、本州はアメリカとイギリス、九州はフランスに割譲されてしまう。その焦燥が大本営をして大東亜戦争に走らせた。それでは、あのとき、どうすればよかったのだろうか。ハル・ノートの要求通り、中国から完全撤退すべきだったのだろうか。

 トランプはさながら第2のペリーだ。ただし、今回は状況が異なる。中国も北朝鮮も独立国としてアメリカと対峙できている。いつの間にかアメリカの植民地となった日本はどうだろう。この期に及んで、覚せい剤にカジノか。「亡びる」しかないのかも知れない。


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